• COLUMN

    • 2025.12.19

    経理部門の業務改善を実現するDXとは?クラウド会計・RPA活用と成功事例を解説

    人手不足や業務量の増加、属人化など、経理部門を取り巻く課題は年々複雑化しています。

    こうした状況の中で注目されているのが、DX(デジタルトランスフォーメーション)による経理業務の改善です。

    前回のコラムでは、業務改善の第一歩として「現状分析」と「課題の可視化」の重要性について解説しました。

    本コラムでは、その分析結果を踏まえ、経理部門の業務改善を実現するための具体的なDX活用方法を、クラウド会計やRPAの事例とともにご紹介します。

    経理DXが求められる背景とよくある課題

    多くの企業で、経理業務には次のような課題がみられます。

    ・手入力や転記が多く、ミスや確認作業が発生している
    ・月末・決算期に業務が集中し、残業が常態化している
    ・特定の担当者に業務が依存し、引き継ぎが難しい

    これらの課題は、次の3つの視点で整理できます。

    ムダ:二重入力、紙書類の管理
    ムラ:繁忙期・特定担当者への業務集中
    ムリ:業務量増加に対する人員不足

    経理DXは、こうした構造的な課題を解消するための有効な手段です。

    経理業務改善に有効なDX施策① クラウド会計の活用

    クラウド会計システムは、経理DXの基盤となるツールです。

    銀行口座やクレジットカード、経費精算システムなどと連携することで、入力作業の自動化とペーパーレス化を実現します。

    クラウド会計による主な業務改善効果

    ・入出金データを自動取得し、仕訳入力を大幅に削減
    ・経費精算データを自動連携し、二重入力を防止
    ・電子承認により、紙の回覧や承認待ち時間を削減

    これにより、日常的な記帳作業に追われる状態から脱却し、経理担当者が確認・分析業務に時間を使える環境が整います。

    経理業務改善に有効なDX施策② RPAによる定型業務の自動化

    RPA(Robotic Process Automation)は、経理業務の中でも特に定型性の高い作業を自動化する技術です。

    RPA活用の代表例

    ・入金消込作業の自動化
    ・複数システムからのデータ収集・集計
    ・支払データ・振込データの作成

    これまで数時間かかっていた作業が短時間で完了するだけでなく、担当者に依存しない安定した業務運用が可能になります。

    経理DX成功のポイントは「業務フローの再設計」

    DX推進で重要なのは、ツール導入そのものではありません。

    既存の業務フローを前提にするのではなく、下記視点で、業務フロー全体を再設計することが成功の鍵となります。

    「この作業は本当に必要か?」
    「DXによって“やらなくてよくなる業務”は何か?」

    ファーストアソシエイツでは、ツール導入前の業務分析を重視し、現場に即した「あるべき業務フロー(To-Be)」を明確にしたうえでDX支援を行っています。

    経理DX・業務改善の成功事例

    物流業:ワールドフォースインターナショナル様

    ・課題:経理業務の属人化、体制の不安定さ
    ・改善効果:業務の可視化・標準化を実現し、月次決算の早期化に成功

    葬祭業:株式会社セレモ様

    ・課題:手書き・紙中心の業務、過去のDX断念
    ・改善効果:手作業を大幅削減し、繁忙期の残業時間を約30時間削減

    DXは、業務効率化だけでなく、経理部門の安定運営と品質向上にも大きく貢献します。

    まとめ|経理DXは「守り」から「攻め」の経理への第一歩

    経理部門のDXは、単なる効率化施策ではありません。

    経営判断に必要なデータを迅速に提供し、企業成長を支える戦略的な経理部門へと進化するための取り組みです。

    「どのツールを選べばよいか分からない」
    「業務改善をどこから始めればよいか迷っている」

    そのようなお悩みがあれば、経理BPO・DX支援の専門家である株式会社ファーストアソシエイツまでぜひご相談ください。

    業務分析からDX導入、運用定着まで一貫してサポートいたします。