• COLUMN

    • 2025.10.10

    サービス品質と効率化を両立した業務改善!|質の維持・向上に向けた具体的なアイデア

    どのような業種でも、組織の規模が小さいほどコア業務とその他の業務の両立が大変です。特にサービス業では「サービス品質を落とさずに、業務改善を行いたい」と考える経営者の方も多いのではないでしょうか。

    今回は、品質と効率化の両立に向けた、業務改善の具体的なアイデアを紹介します。成功のポイントも知り、自社の発展に役立てていただければ幸いです。

    飲食店や美容院など、接客業を営む組織はさまざまな課題を抱えています。まずは、接客業ならではの3つの課題を見てみましょう。

    事務作業が多い

    接客業は店舗営業だけでなく、事務作業も多くあります。お客様対応と事務作業を同時進行するのは、組織の人数が少ない店舗にとって大きな負担となります。作業内容や量が多いと、1つの業務を特定の人材が担う「属人化」も避けられません。

    個々の業務負担が増えやすい

    人口減少や少子化、コロナ禍などの影響もあり、接客業における人材不足は深刻です。必然的に個々の業務負担は増え、人手不足にさらに拍車がかかってしまうのも、接客業の課題の1つといえます。

    サービスの質が落ちる

    さまざまな業務を並行して行うと、メインであるサービス提供が疎かになってしまう可能性があります。サービス品質が落ちれば集客が減り、売上にもダメージを受けてしまうなど、さまざまな弊害が生じるため注意が必要です。

    【業務別】品質を維持・向上できる業務改善アイデア

    サービス提供から事務作業まで多岐にわたる業務は、どれも重要なものです。品質を維持しながら業務負担を減らすには、どのような工夫をすればよいのでしょうか。業務別に解説します。

    接客

    お客様へのサービス提供は、店舗の売上を最大化させる重要な業務です。サービス品質向上に向けては、商品知識や顧客ターゲット、競合商品・サービスの把握が欠かせません。また、自社のキャンペーンや売れ筋など、多くの情報を知識としてスタッフが蓄えることが求められます。

    情報収集と理解には時間を要しますが、豊富な知識があればよりよいサービス提供が現実的になります。顧客が増えても、短時間の接客で高い満足度を与えられ、購買意欲を高められるトークを繰り広げられるでしょう。

    経営者は、ベテランスタッフや接客業務が得意なスタッフの力を借りながら、新人スタッフや接客があまり得意でないスタッフにもよい波紋を広げていくことが大切です。レクチャーや成功事例の周知に加え、個々の長所を生かし、苦手をカバーしあえる環境づくりに努めましょう。

    仕入・在庫管理

    仕入や在庫の管理の効率化には、在庫管理システムの導入が有効です。バーコードやICタグなどを利用すれば、出入庫作業を自動化できます。データ入力の手間がないので、担当者はほかの業務に割ける時間が増えますし、人的ミスも避けられます。

    ほかにも、リアルタイムで注文状況や在庫を把握できる受発注システムを活用すれば、過不足を防ぎながら仕入れ先への発注業務の効率化が実現できます。

    システム導入が現実的でない場合は、倉庫内の作業効率化を進めるのがおすすめです。たとえば、商品保管棚に数字やアルファベットを割り振って商品の特定を容易にしたり、先に仕入れた商品から使っていく「先入れ先出し」を徹底したりする方法があります。

    売上管理

    売上管理の業務改善に役立つのは、販売管理システムや会計ソフトなどです。販売管理システムは、受発注や仕入、見積作成、伝票計算など、さまざまな事務作業をシステム上で自動化できます。また、在庫や顧客情報を一元管理できるシステムもあるので、情報共有も容易になります。

    経理業務でも使用される会計ソフトは、日々の売上データをまとめて管理でき、商材別の売上なども一目で確認が可能です。自動でレポートを作成する機能があれば、売上の分析にも役立ちます。

    有料のシステムやソフトを導入するのが難しい場合は、テンプレートを活用しましょう。売上管理に必要な項目を明確にしたテンプレートは入力漏れを防ぎ、誰でも簡単に売上を入力できるので、時間短縮や属人化防止に貢献します。

    スタッフ教育・管理

    勤怠管理やシフト調整、スタッフのメンタル面のケアなど、スタッフの教育や管理も接客業に欠かせない業務です。スタッフ教育の効率化にはマニュアルやOJT制度の導入、定期的なフィードバックなどがおすすめです。また、業務内容を洗い出し、「ムダ」がないかを改めて見直すことで、不要な業務をなくして効率化が図れます。

    昨今は、勤怠管理とシフト調整を統合したツールもあるので、ツールの導入によって管理者の負担を軽減することも可能です。

    さらに、オンラインツールを活用したコミュニケーションにより、ミーティングや親睦会を頻繁に行わなくても横のつながりを築けます。しかし、メンタル面の問題はオンライン上では見えづらいのも事実です。スタッフのメンタルケアは効率化を考えず、真摯に向き合うことを意識したほうがよいといえます。

    販売促進

    販売促進のためには、データ収集と分析による戦略立案が必要です。これらの業務を効率化するツールも、昨今増加傾向にあります。分析を自動化すれば、担当者の負担を軽減しながら、さらなる売上アップが見込めるでしょう。

    また、店内ディスプレイの工夫や効果的なキャンペーン、セールの打ち出しは、AIが最適な内容を提案してくれる可能性があります。さまざまなデジタルツールを駆使すると、業務改善と効果的な販促活動を両立できるでしょう。

    顧客管理

    基本情報や購買履歴、ECサイトへのアクセス状況など、顧客管理で扱う情報は多数あります。CRMと呼ばれる顧客管理システムを導入すると、早急に業務改善を実現できます。

    CRMを利用すれば、顧客情報を一元管理でき、情報共有も簡単になります。入力事項も明確で、誰でも顧客管理に携われるのもメリットです。自動入力機能があるシステムは名刺の読み取りなどもでき、入力作業そのものを時短できるでしょう。

    接客業の業務改善に向けたポイント

    個々の負担を軽減しながら売上アップも見込める業務改善は、従業員のエンゲージメントを高めるためにも重要な者です。接客業の業務改善成功に向けて、可能な実行してほしいポイントは大きく4つあります。

    業務プロセスの見直し

    現状、どのような業務があるのかを見直し、業務プロセスに優先度をつけるのは、費用をかけずにすぐにできる業務改善策です。細かな業務もリスト化し、重要なものとそうでないもの、本当に必要なのかわからないものなどを仕訳していくと、効率化のヒントが見えてきます。

    1つひとつの業務にかかる時間や手間、作業の名称なども確認し、「この業務は○○という名称で、だいたい○分くらいで完了できる」と、統一した認識を持って業務に取り組めるでしょう。

    マニュアル整備

    すでにマニュアルがある場合は、最新の情報や効率的な方法が反映されているかを確認し、マニュアルがない業務については新たにマニュアルを作成するのも、業務改善につながります。マニュアルは属人化防止のほか、業務品質の均一化や、教育にかける時間の削減など、さまざまなメリットをもたらします。

    マニュアル作成自体には時間がかかってしまいますが、マニュアルによって得られる効果は高いので、ぜひわかりやすいマニュアルを作成してみてください。

    システム・ツールの導入

    入力や管理などの効率化には、システムやツールの導入が有効です。ただし、どのようなシステムでもよいわけではなく、業務に必要な機能が備わっていることや、どの従業員もスムーズに使いこなせることなどが求められます。

    導入にあたっての初期費用や月額利用料を支払うのは経営者ですが、従業員の声にも耳を傾けながら、長く使えて効率化につながるシステムやツールを検討しましょう。

    アウトソーシングの活用

    いくら業務を効率化しても、人手不足を補うのが難しいケースもあります。コア業務に専念できる人材が少ないときには、アウトソーシングを活用するのも1つの方法です。

    特に、専門知識を必要とする経理業務は、担当者の育成や属人化防止のためにも、プロにアウトソーシングするのがおすすめです。税理士事務所や会計事務所が行うアウトソーシングは、人的ミスの発生を防ぎ、安心感を持って経理業務を任せられます。

    よりよい業務の実現に向けたご相談も、ファーストアソシエイツにお任せください

    接客業が抱える課題を解決する業務改善策は、すぐに実践できるものから費用を伴うものまで幅広くあります。売上やサービス品質を向上させながら、個々の負担を減らしていくためのアイデアにお困りの場合は、業務改善のサポートをしてくれる企業に相談するのもよいでしょう。

    経理アウトソーシングやバックオフィスの業務改善を行うファーストアソシエイツは、業務改善の実績も豊富です。接客業の経営者様は、ぜひ一度ご相談ください。