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    • 2025.09.19

    業務分担の見直しで効率化!|属人化を防ぎ、業務改善につながるポイントは

    従業員の人数が少ないと、業務分担に偏りが生じて「属人化」が起こりやすくなります。適切な業務分担を行えば、属人化防止をはじめとしたさまざまなメリットが期待できます。

    今回は、業務改善につながる業務分担のポイントを解説します。

    従業員数が少ない組織では、「業務分担」を意識した人事配置ができていない可能性があります。

    まずは、業務分担とは何か、どのように行うかなどの基本情報を確認しましょう。

    業務分担とは

    業務分担とは、組織の目標達成に向けた最適な作業配分です。従業員それぞれの能力や経験などを総合的に分析し、組織全体として効率化や生産性向上が見込める配置や作業の分担を行います。

    役割分担と業務分担の違い

    業務分担と似た言葉に「役割分担」があります。役割分担は広範囲の職務を意味するのに対し、業務分担はより詳細なタスクレベルでの配分を指しているのが、2つの言葉の違いです。

    具体的には、「営業担当」というのが役割分担だとしたら、業務分担は「営業資料作成」「クライアントへのプレゼンテーション」などの細かな作業の担当を指します。

    業務分担のステップ

    最適な業務分担の実現に向けたステップは、大きく4つです。

    ・業務の洗い出しと評価
    ・メンバーのスキルや現状の把握
    ・情報の統合分析
    ・業務配分の決定

    組織内の全業務を洗い出したら、重要度や緊急度、難易度を評価します。続いて、メンバーの専門性や経験、業務負荷状況などを把握し、データ化します。これらのデータを踏まえた分析を行い、結果を元に最適な業務配分を決定しましょう。

    業務分担のメリット

    分析や配置など、業務分担に向けてはある程度の作業時間や労力が求められます。小規模組織では代表者が行うことになるため、コア業務の合間の作業が負担になるかもしれません。

    しかし、最適な業務分担を行えば、組織全体によい影響を与えられる可能性が高いです。具体的な4つのメリットを紹介します。

    リスク管理能力の向上

    業務負担にバラつきがあると、業務が集中する人には多大な労力が求められます。心理的な負担も大きくなるため、急な退職や休職を宣言されるリスクが高まります。また、こうした緊急時に代わりに業務を担える人材がいなくなってしまうのも、業務分担をしないデメリットです。

    業務分担によって代替人員を確保しておけば、急な人員不足などのトラブルにもスムーズに対応できます。組織全体のリスク管理能力が向上するのは、業務分担のメリットの1つです。

    生産性向上

    最適な業務分担で、個々がスキルや経験などを最大限に発揮すれば、生産性が向上します。また、さまざまな専門性を持ったメンバーが多様な視点からプロジェクトに関わるなかで、これまでにない斬新なアイデアが生まれる可能性も期待できます。

    非生産的な状況の解消

    業務分担ができていないと、「担当者がわからない」「責任をなすりつけ合う」といった非生産的な状況が生まれやすいです。業務分担によって個々が責任を負う範囲が明確になれば、こうした状況を解消でき、意思決定プロセスも高速化します。

    属人化防止

    属人化とは、特定の業務や知識を1人、または限りなく少数のメンバーしか把握できていないことをいいます。属人化は業務の停滞や品質のばらつきなど、業務効率を低下させる自体を招きやすいです。また、部署によっては不正なども起こりやすいため、属人化防止の課題を抱える組織も少なくありません。

    業務分担によって、1つの業務にも工程ごとに複数の人が関わるようになれば、属人化を解消できます。マニュアル作成やジョブローテーションなどの方法を取り入れて、どの従業員が行っても均一した品質を担保できる環境を作るのもよいでしょう。

    業務改善につながる!業務分担のポイント

    業務分担がうまくいけば、どの従業員にとっても働きやすい環境を実現できます。また、最適な業務分担は、生産性向上や「ムダ」の削減などの業務改善にも貢献します。

    最後に、業務分担を成功に導くポイントを解説します。

    業務分担表を作成する

    視認性の高い業務分担表は、従業員が自身の役割や責任をすぐに把握するのに役立ちます。業務分担表の書き方はさまざまですが、具体的なタスク項目と担当者の名前を書き込んだシンプルな表は作るのも簡単で、見やすいのでおすすめです。

    従業員のスキルを活用する

    従業員1人ひとりが得意とすることを把握すれば、スキルを活用した業務分担が可能です。たとえば、「分析や資料作成は得意だが、実際にプレゼンテーションをするのはあまり得意としない」という従業員に、営業活動をすべて一任すると負担が大きくなります。

    「資料作成まではAさん」「実際の営業活動はコミュニケーションが得意なBさん」など、スキルによる最適な人材配置を行えば、個々の負担を軽減しながら、組織の利益にもつながるでしょう。

    スキルアップが見込める業務を充てる

    得意を生かした配置は理想的ですが、スキルに偏りがあったり、人手が足りていなかったりすれば、スキルや経験に関連しない業務を分担しなければいけないこともあります。このような場合は、スキルアップが見込める業務を担当してもらうのも1つの方法です。

    たとえば、「デザインの知識と経験があるが、資料づくりにも挑戦したい」という従業員がいれば、新たなジャンルの業務でも意欲的に学び、結果を出せる可能性が高いでしょう。個々が複数の業務を担当するときには、「コンテンツ制作とSEO対策」「SNS運用とアクセス解析」など、関連する業務を割り当てるのもスキルアップにつながります。

    ツールを活用する

    人手にばかり頼らず、ITツールを導入するのもよいでしょう。定型業務や単純作業を自動化できるツールを導入すれば、個々の業務負担が減り、より重要な業務にかけられる時間が増えます。

    「定型文でメールを送る」「取引先とのスケジュールを調整する」「名刺にある情報を電子化する」など、ITツールが代替してくれる業務は多岐にわたります。ITツールは業務改善への一歩にもなるメリット豊富なものなので、無料で使えるものからスタートしてみるのもよいでしょう。

    アウトソーシングの活用も検討を

    現在の人員だけでは最適な業務分担が難しいという場合は、アウトソーシングもおすすめです。特に、専門性の高い経理業務は属人化によるトラブル防止のためにも、外部に委託すると安心です。

    税理士や会計事務所などが行う経理アウトソーシングは、知識・経験ともに豊富な担当者が、自社の経理業務を担ってくれます。信頼できるプロによるミスのない作業はもちろん、従業員の負担軽減、さらに売り上げアップやよりよい経営に向けたアドバイスがもらえるなど、メリットも多いです。

    業務改善に向けた経理アウトソーシングは、ファーストアソシエイツにお任せください

    1つひとつの業務やそれに伴う責任を分担する業務分担は、リスク管理能力や生産性向上など、さまざまなメリットをもたらします。現状や個々のスキルを把握・分析し、組織と個人双方が成長するような人材配置を検討すると、業務分担の効果を実感しやすいです。

    社内の人材ではカバーしきれない業務が生じた場合には、ITツールやアウトソーシングを活用するのもおすすめです。経理アウトソーシングサービスを提供するファーストアソシエイツは、税務と会計、ITの横断的なサポートにより、お客さまのさまざまなお悩みを解決します。「社外経理部」「業務改善コンサルティング」をご検討の経営者さまは、お気軽にご相談ください。