COLUMN
日々の業務に忙しく、改善に向けた大がかりなアクションをなかなか起こせない場合も、比較的実践しやすい改善策の1つに、始業前のルーティン作りがあります。集中力や生産性を高めるには、どのようなポイントを意識すればよいのでしょうか。
今回は、誰でも実践しやすい始業前ルーティンについて、7つのアイデアをご紹介します。
目次
ルーティンとは、決められた動作を繰り返すこと、つまり「日課」です。「起きたら水を飲む」「試合の前に決まった食べ物を食べる」など、仕事だけでなく生活やスポーツなど、さまざまなシーンでルーティンを実践する人は多くいます。
ルーティンによる主な効果は、次の4つです。
自分で決めたルーティンをこなすと、集中力を高めやすくなります。
たとえば、商談やセミナーなど、「人前で話す前には深呼吸をする」という小さなルーティンでも、毎回行うことで目の前のタスクに集中できるようになります。
集中力を高めるために気持ちを切り替えられるのも、ルーティンの効果です。
気持ちや身体を「オン」の状態にするための動作としてルーティンを活用すれば、仕事や生活にメリハリがつきます。
ルーティンによって気持ちを切り替えて集中できるようになれば、「始業後もダラダラしてしまう」「やるべきことに気持ちが向かない」ということが減り、作業効率がアップします。「やることを確認する」「知識を得る時間を作る」など、ルーティンの内容を工夫すれば、作業効率はさらに高まるでしょう。
同じ動作を日々繰り返すと、イレギュラーを発見しやすくなります。たとえば、毎朝パソコンのデスクトップを確認するようにすれば、「必要なファイルが見当たらない」「求められたデータがすぐに出せない」などのトラブルを回避できます。
また、「始業前に1日のタスクを確認する」というルーティンを決めていれば、レギュラー業務以外のスケジュールを見落とすようなミスも軽減されるでしょう。
業務効率をアップさせる始業前のルーティンには、どのようなものがあるのでしょうか。7つのおすすめのルーティンを見てみましょう。
始業前に作業をしやすい環境を整えると、すぐに業務に取り掛かれます。
たとえばデスクワークの場合は、机の上を整理したり、パソコンのデスクトップを見やすくしたりするとよいでしょう。工場や店舗でも、効率的に作業を進められるような道具の配置にする、レジ周りをきれいにするなどの工夫をすれば、1日を気持ちよくスタートでき、作業に集中しやすくなります。
1日のタスクリスト作成も、始業前に行うのがおすすめです。その日やることを可視化できれば、優先順位をつけて効率的に作業を進められます。また、タスクの取りこぼしなどのミスも軽減することが可能です。
タスクリストは手書きで作成するのもよいですが、タスク管理ツールの活用もおすすめです。チーム全体に情報共有できるだけでなく、紙ゴミが減って環境にもやさしいので、ITツールの導入も検討するとよいでしょう。
始業前に毎日業務マニュアルを確認する習慣をつければ、知識や技術の定着が早まります。
正しい順序や方法が頭に入っていることで、トラブルやミスに気づきやすくなるのも、マニュアル確認のメリットです。
業界に関する知識の習得、資格取得に向けた勉強は、「やろう」と思ってもなかなか実践に至らないという人も少なくありません。「始業前の15分」と決めて必要な情報を収集する時間に当てれば、少しずつ知識が蓄積されていきます。
また、チーム内で共有された、業務に関する情報の確認時間にするのもよいでしょう。前述のITツールを活用すれば、ミーティングを頻繁に行わなくても、簡単に情報の発信・収集ができます。
始業前に1日の目標を決めるのもよいでしょう。
目標は達成するのが簡単すぎず、また難しすぎないものにするのがポイントです。目標達成によってモチベーションがアップすれば、翌日の業務にも前向きに取り組めます。適切な目標を設定するには、タスクの確認も欠かせません。
水やお茶、コーヒーなど、決まった飲み物を飲むのも1つの方法です。「業務に関係ないのでは?」と思うかもしれませんが、一息つけると同時に、業務開始に向けた気持ちの切り替えもできます。毎日同じものを飲むためには、気に入った飲み物を選びましょう。
足の曲げ伸ばしなどの軽いストレッチを行うと、血行促進や集中力アップなどの効果が得られます。
始業前の数分を使い、スペースを取らない簡単なストレッチをルーティン化すれば、スッキリとした気持ちで業務に取りかかれるでしょう。特に、立ちっぱなし、座りっぱなしで作業をする人は、ストレッチで肩こりや腰痛などを軽減できるのでおすすめです。
始業前のルーティンで効率的な業務を実現するには、4つのポイントを意識してルーティンの内容を決めましょう。
ルーティンは毎日やらなければ意味がありません。そのため、「これなら続けられそうだ」と思う、小さなことから始めましょう。たとえば、まずは決まった飲み物を飲むところからはじめ、その後ルーティンの内容を徐々に増やしていくのもよいでしょう。
また、「始業前に5分は本を読む」という1つのルーティンを決めて、慣れてきたら10分、15分と時間を伸ばしていくというのも1つの方法です。
手順が多い複雑な内容は「面倒くさい」と感じ、続けられなくなる可能性があります。シンプルな手順で行えるルーティンを決めるのも、業務によい影響を与えるために重要です。
たとえば、タスクリストはツールの扱いに慣れれば、手書きよりもスムーズかつ見やすいリストが作れます。
他の忙しくても、疲れていても、毎日続けてこそのルーティンですが、気軽に取り組めない内容だと、何かしらの理由で続かなくなりやすいです。気軽に行える作業は人によって異なりますが、「コーヒーを飲む」「タスクを確認する」など、短時間で日々取り組みやすい内容をルーティン化するのも、業務改善につながるポイントだといえます。
「始業前のこの時間に」と、できるだけ明確に時間を決めて行うことも大切です。ただし、始業前ギリギリの時間を設定すると、業務開始が遅れる可能性もあるので、余裕を持った時間設定を意識しましょう。加えて、「バックヤードで」「更衣室で」「デスクで」など、ルーティンを行う場所も決めておくと、より継続しやすいです。
業務開始前のルーティンを決めると、集中力ややる気を高めて業務に取り組め、生産性向上などの効果が期待できます。始業前の時間を活用したルーティンで、よりよい業務遂行を実現してみてはいかがでしょうか。
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