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前回のコラムでは、GAS(Google Apps Script)を活用した経理業務の自動化について解説しました。
GASが「決められたルール通りに手を動かすツール」だとすれば、今、多くの企業が向き合うべき次のテーマは、「考え、提案する」生成AIの活用です。
2026年現在、生成AIは「どれか一つを導入すればOK」という段階を終え、業務内容に応じて“使い分ける”ことが成果を左右する時代に入っています。
本記事では、経理BPOの現場で実際に活用している立場から、
ChatGPT・Gemini・Claudeの違いと、経理実務における最適な選び方を解説します。
「生成AI」とは、大量のデータを学習したAIが、文章・数値分析・プログラムなどを新たに生み出す(生成する)技術です。
経理業務で使われてきた従来のAIと比較すると、役割の違いが明確になります。
・領収書かどうかを判定する
・売上や入金額を予測する
・あらかじめ決められた「正解」を導く
・試算表の異常値を指摘する
・未回収リスクを踏まえた督促文を作成する
・正解が一つではない判断をサポートする
生成AIは、経理担当者の代わりになる存在ではなく、思考を補助する“優秀な右腕”と言えるでしょう。
現在、ビジネス用途で主流となっている生成AIは、以下の3つです。
| AI名 | 開発元 | 経理業務での強み | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ChatGPT | OpenAI | 数値分析・論理構築 | 高度なデータ分析機能 |
| Gemini | 大量資料の読解 | Google Workspace連携 | |
| Claude | Anthropic | 自然な日本語表現 | 高い安全性・誠実な回答 |
重要なのは、「どれが一番優れているか」ではなく、「どの業務にどれを使うか」です。
ChatGPTは、計算精度や論理的な推論力に優れており、数値を扱う経理業務との相性が非常に高いAIです。
・月次決算の前年差・前年差率分析
・キャッシュフローの傾向分析
・複雑なExcel関数やVBAの作成・改善
「数字の意味を整理し、示唆を得る」場面では、最も頼れる存在です。
Geminiの最大の特長は、一度に処理できる情報量の多さです。
大量の資料を前提とした業務では、他のAIを圧倒します。
・税制改正・電子帳簿保存法の要点整理
・社内経理規程の検索・照合
・Google Workspace上の資料横断チェック
「探す・読む・整理する」業務を大幅に短縮できます。
Claudeは、自然で丁寧な日本語表現に定評があり、経理BPOにおける対クライアント業務で特に重宝します。
・決算内容をわかりやすくまとめた報告文
・支払遅延に対する配慮ある案内文
・社内外向け説明資料の下書き
「正しさ+伝わりやすさ」が求められる場面に最適です。
経理業務では、利便性以上にセキュリティが重要です。
①個人情報・企業名は入力しない→ A社・B社などに置き換える
②学習オプトアウト設定を徹底→ 法人向け有料プランの活用
③最終判断は必ず人が行う→ 数字・税務判断は必ず専門家が確認
生成AIはあくまで「補助ツール」であり、責任を持つのは人間であるという前提は変わりません。
生成AIは、特別な魔法のツールではなく、電卓やExcelの延長線上にある“業務インフラ”になりつつあります。
・分析はChatGPT
・調査はGemini
・文章はClaude
このように業務ごとに使い分けることで、経理業務のスピード・品質・付加価値は確実に向上します。
私たち株式会社ファーストアソシエイツは、DXと経理BPOの専門家として、最新テクノロジーを実務に落とし込みながら、お客様の経理業務を「作業」から「価値創出」へと進化させ続けます。