• COLUMN

    • 2026.03.20

    業務分担の偏りを解消する方法──属人化を防ぎ、チームで回せる仕組みの作り方

    「特定の人に業務が集中している」「その人が休むと業務が止まる」──こうした状況は、中小企業のバックオフィスでよく見られます。

    業務分担の偏りは、担当者のモチベーション低下、ミスの増加、離職リスクの高まりにつながります。しかし「平等に分けようとしたが、うまくいかなかった」という声も多く聞きます。

    本記事では、業務分担の偏りが生まれる原因と、チームで回せる仕組みを作るための具体的な手順を解説します。

    原因① 業務の「見える化」ができていない

    誰が何をどのくらいの時間かけてやっているか、把握できていない状態で分担を決めているケースがほとんどです。「Aさんは暇そう」「Bさんは忙しそう」という感覚ベースの判断が偏りを生みます。

    原因② 「できる人に頼む」文化が積み重なっている

    仕事が速い人・正確な人に仕事が集中するのは自然な流れです。しかしこれが積み重なると、できる人の負荷が増し続け、できない人はいつまでも成長機会を得られません。組織全体の能力が偏ります。

    原因③ 業務が「個人のやり方」で固定されている

    「この業務はAさんにしかわからない」という状態は属人化の典型です。手順が文書化されておらず、担当者の頭の中にしか情報がない状態では、分担を変えようとしても変えられません。

    2. 偏りを解消する4ステップ

    ステップ① 業務の棚卸し──全業務をリストアップする

    まず、チーム全員の業務を一覧化します。「誰が」「何を」「どの頻度で」「どのくらいの時間で」やっているかを把握することが出発点です。

    よく使う形式:Excelに「業務名・担当者・頻度(日次/週次/月次)・所要時間」の列を作り、各自で記入してもらうことで実態が見えてきます。

    ステップ② 業務を「難易度」と「標準化可能性」で分類する

    一覧化した業務を2軸で分類します。難易度(高/中/低)と標準化可能性(しやすい/しにくい)です。

    標準化しやすい標準化しにくい
    難易度:低→ 分担変更・自動化の優先対象→ マニュアル化を優先
    難易度:高→ 段階的に副担当を育成→ 当面は現担当が継続。将来のリスク対応を計画

    この分類により、「まず何から手をつけるか」の優先順位が見えてきます。

    ステップ③ 手順を文書化し、副担当を設定する

    標準化可能な業務から順番に手順書を作成します。手順書は「その業務を知らない人が読んで作業できる」レベルの粒度が目標です。

    手順書ができたら、副担当(バックアップ担当)を設定します。副担当は最初は「見ている」だけでも構いません。定期的に担当を入れ替えることで、複数人が業務を回せる状態を目指します。

    ステップ④ 定期的に「負荷の見直し」をする

    分担を決めたあとは、月1回程度で「各自の業務量・負担感」を確認する場を設けます。業務量は時期や組織変化で変わるため、一度決めたら終わりではなく、定期的な見直しが必要です。

    簡単なアンケートや1on1でヒアリングするだけでも、偏りの兆候を早期に発見できます。

    3. 属人化を防ぐための仕組みづくり

    ①「知識の個人保有」を組織保有に変える

    業務の知識や手順を個人が抱えている状態を、チームで共有できる状態に変えていきます。手順書・マニュアルの整備はその第一歩です。NotionやGoogleドライブなどのツールを使って、誰でもアクセスできる状態にしてください。

    ②ローテーションを制度として取り入れる

    「担当を変えたい」と言い出せない文化では、属人化は解消されません。年1回・2年に1回など、定期的な担当ローテーションを制度として設計することで、個人への依存を構造的に解消します。

    ③「教える時間」を業務として認める

    副担当の育成や手順書の作成は、短期的には工数がかかります。しかしこれを「本業の合間にやること」にすると後回しになります。「引き継ぎ・教育は業務として工数を確保する」という認識が必要です。

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    まとめ

    業務分担の偏りは、担当者の問題ではなく仕組みの問題です。棚卸し→分類→文書化→見直しの4ステップを繰り返すことで、チームで回せる組織を作ることができます。

    最初から完璧な分担を目指す必要はありません。「まず1つの業務を標準化する」小さな積み重ねが、属人化解消の現実的な道筋です。