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    • 2025.05.23

    業務改善は現状分析と課題発見がカギ!|効果につながるポイントは

    効果的な業務改善の実施には、現状分析による課題発見が重要です。また、現状分析も含めた流れを把握すると、スムーズでメリットの多い業務改善を実現できます。

    今回は、業務改善の流れや現状分析の方法、課題発見のために意識したいポイントなどを解説します。

    業務改善とは

    業務改善とは、現状の業務に「ムリ」「ムダ」「ムラ」がないか見直し、問題点を改めるための方法を考え、実践することをいいます。業務改善が正しく行われれば、生産性向上や業務効率化に加え、コスト削減、労働環境の改善など、さまざまなメリットが得られます。

    昨今、業務改善が重視される理由の1つは労働力不足です。少子高齢化により労働力が足りず、従業員1人ひとりの負担が大きくなってしまう業種・職種は少なくありません。

    また、働き方改革で長時間労働が難しくなっている点も踏まえ、企業には「決まった時間に規定の業務を終わらせるための工夫」が求められています。
    業務改善によって規定時間内に必要な業務をスムーズに遂行するためには、以下のような方法がおすすめです。

    ・外注(アウトソーシング)
    ・マニュアル化
    ・自動化
    ・統廃合
    ・システム導入 など

    業種・職種や部署などに応じ、どういった方法を取り入れるか検討することが大切です。

    業務改善の進め方

    「現状をよくするために業務を見直したい」と思ったら、まずは業務改善の進め方を知っておくとスムーズです。業務改善は、大きく4つのステップで行われます。

    現状分析・課題発見

    まずは、現状を分析してどのような課題があるのかを洗い出します。業務内容、業務フローを整理すると、従業員が日々どのような業務に時間を割いているかがわかります。現状を正確に把握する方法には、リスト作成やヒアリングなどがあります。

    リストによってさまざまな業務が可視化されれば、「どこに無理が生じているか」「無駄な業務は何か」「個々の業務にムラがないか」が分析しやすくなります。また、現場の声をヒアリングすると、表面的な課題だけでなく、課題が生じている原因も明らかになり、改善に向けた方法を検討しやすいのでおすすめです。

    優先度をつける

    現状分析によって明らかになった課題には、優先度をつけましょう。改善による効果はもちろん、改善のためにかかるコストや実践難易度も考慮し、どの課題から解決していくかを決めます。

    コストや難易度が低く、大きな効果が期待できる課題を優先的に進めれば、短期間で高い効果が得られる可能性があります。また、コストや難易度の面から「改善が難しい」と思われる内容も放置せず、「どうしたら少しでも改善に向かうか」を検討し、できることから実践すると、従業員の働きやすさや満足度を高められるでしょう。

    改善方法の検討と実施

    課題に優先度をつけたら、具体的な改善方法を検討します。業務改善にはさまざまな方法がありますが、まずは難しいことを考えず、以下の観点を意識して課題に向き合いましょう。

    ・不要な業務はなくす
    ・似ている業務はまとめる
    ・業務の手順を簡単にする
    ・作業の順番を入れ替える

    マニュアル化や自動化、システム導入などは、導入までに時間がかかりますが、すぐに実践できる上記の方法で改善が期待できる業務は、優先度を高くし、早めに実践しましょう。

    評価と再検討

    業務改善の方法を試してどのような効果が得られたかを評価することも、忘れてはいけません。改善がうまくいけば、次の課題に取り組めます。しかし、思ったような効果が得られない場合には、改善方法を再検討する必要があります。

    評価と再検討は、繰り返し行うことも重要です。これにより業務改善の精度を高めるとともに、成功・失敗の事例が蓄積し、未来の業務改善に生かせます。

    効果につながる現状分析の方法

    よりよい業務改善の実現のカギは、はじめに行う現状分析です。「効果的な現状分析方法」というと難しそうな印象がありますが、3ステップで完了します。

    理想を明確にする

    まずは、業務内容や業務フローについて「もっとこうだったら」という、自身の理想を明確にしましょう。半年ほど先までを見据え、どういった状況になっていれば理想通りなのかをイメージすると、現状の課題が見えてきます。

    現状で理想に到達できるかを判断する

    次に、いまの働き方を続けていって、半年後に理想に到達するかを判断します。到達すると思える場合は、改善の必要がない可能性もあります。しかし、到達できないと思うのであれば、改善の必要性は大いにあるでしょう。

    理想と現状にあるギャップを考える

    「このままでは理想の状況に到達できない」と判断する場合は、その理由が現状の課題だといえます。課題を見つけるには「どの工程が理想への道を阻んでいるか」「理想の業務にないもの、あるものは何か」など、理想と現状のあいだのギャップを考えるのが有効です。

    業務改善につながる課題発見のポイント

    分析した内容を業務改善に適切に活用するには、課題発見力も必要です。業務改善に向けた課題発見には、次のような力や考え方が役立ちます。

    前提や思い込みを捨てる

    前提や思い込みがあるまま現状を分析しても、本当に改善が必要な課題を見つけられない可能性があります。これまでの業務の延長線上で考えたり、自分の経験をもとに判断したりすることはやめましょう。

    批判的思考を鍛える

    前提・思い込みを捨てるためには、意識的に自分の考えを批判的に見る「批判的思考(クリティカルシンキング)」を鍛えるのがおすすめです。批判的思考を持つことで、先入観や主観にとらわれず、正しく物事を見て判断する力が身につきます。

    批判的思考は、書籍や動画だけでは習得しきれないことも多いので、課題発見に向けて第三者の意見を求める方法も視野に入れるとよいでしょう。

    未来志向で考える

    「現状がこの先も続く」という考え方ではなく、未来志向で物事を見るのも、課題発見に有効です。将来の可能性や機会を重視する未来志向を持つと、「こうなってほしい」「こうありたい」という、前述の「理想」がより明確になり、そのために現状をどう変えるとよいのか、課題は何かを逆算して考えられます。

    想像する明るい未来に近づけようという思考を持つと、「ムダ」に対してもネガティブな気持ちを持ちにくく、業務改善に前向きに取り組めます。

    「発見」で終わらない

    現状分析や課題発見で大切なのは、分析・発見で満足してしまわないことです。課題がわかっても、改善方法の検討・実施がなければ、現状は変わりません。また、課題を指摘するだけで終わると、ただの批評・批判になってしまいます。

    課題発見後には、業務改善に向けた方法の検討、計画、実行、そして評価までをやりきることが重要です。社内では具体的な方法を見出せない場合は、専門企業に相談するのも1つの方法です。

    業務改善に関するお悩みも、ファーストアソシエイツにご相談を

    業務改善は、現状分析と課題発見を入念に行うのが、成功へのポイントとなります。課題解決に向けた改善方法に悩んだら、業務改善の相談を行っている業者を頼るのもおすすめです。

    ファーストアソシエイツは、「税務×会計×IT」の横断的なアドバイスが可能です。経理アウトソーシングをはじめ、組織のお悩みに応じた、さまざまな業務改善サービスをご用意しておりますので、お気軽にご相談ください。