• 業務改善のフレームワークにはPDCAサイクルを取り入れよう!|期待できるメリットも紹介

    業務改善を成功に導くには、フレームワークの活用も有効です。フレームワークの1つ、PDCAサイクルは、業務改善にどのようなメリットをもたらすのでしょうか。

    今回は、PDCAサイクルをはじめとした、業務改善に生きるフレームワークについて解説します。

    業務改善・フレームワークの定義

    まずは、「業務改善」「フレームワーク」という言葉の定義を改めて確認しましょう。

    業務改善とは

    業務改善とは、業務におけるムリ・ムダ・ムラなどの現状の課題を発見し、これらのない業務を実現するために改めることです。改善によって、業務効率化や生産性向上、コスト削減、労働環境改善による従業員の満足度向上など、さまざまな効果が期待できます。

    フレームワークとは

    時間や労力、費用をかけて行う業務改善は、意味のあるものでなければなりません。そのためには、現状を可視化し、適切な改善方法を実践する必要があります。そのために役立つのが、フレームワークです。

    フレームワークは「枠組み」を表す単語で、課題解決策を考える際に必要な事項を枠組みとして設計することをいいます。業務改善におけるフレームワークは、課題発見に大きく貢献します。

    業務改善のフレームワークに有効なPDCAサイクル

    業務改善に役立つフレームワークのなかでも、特に活用をおすすめしたいのがPDCAサイクルです。
    PDCAサイクルは、以下の4つの工程をサイクルする(回す)ことで、継続的な改善を実現します。

    Plan(計画)

    まずは、改善策の実行に向けた計画を行います。

    現状分析と目標設定を行うと、現状と理想のあいだのギャップ(課題)が見えてきます。課題解決に向けて何をするとよいか、具体的な業務改善計画を立てると、その後の工程でより高い効果が期待できます。

    Do(実行)

    続いては、計画に基づいて「実行」する工程です。

    この工程では、計画した内容をすぐに実行できるタスクに落とし込むことや、費用面や実行のしやすさなどを加味して優先度の高いタスクから実行していくことが大切です。実行の内容は「事実」として記録し、計画と実際の現場とのギャップを把握すると、次の「評価」も適切に行えるでしょう。

    工程でより高い効果が期待できます。

    Check(評価)

    実行した内容を振り返り、計画通りに進んだか、目標が達成できたかという「評価」を行うことも大切です。評価の際には、定量的なデータをもとに振り返りを行います。

    また、得られた成果や失敗の原因などは、その要因を細かく分析することも忘れてはいけません。改善や新たな計画に役立つ評価は、PDCAサイクルの効果を最大限に引き出し、よりよい業務改善につながります。

    Action(改善)

    最後に、評価で見えた課題や成果を踏まえて、次のサイクルに向けた「改善」を行います。

    課題に対して新たな改善策を示す際には、よかった点にも注目しましょう。また、改善策が複数ある場合は、優先順位をつけると「どこから改善していくべきか」が明確になります。

    業務改善がスムーズに進んでいる部分に対して「もっとよくするにはどうすればよいか」を考えること、改善の見込みがなさそうなものに対して、計画の中止・延期の判断をすることも、ときには必要です。

    ここまでの工程を終えたらはじめの「Plan」に戻り、質を上げながらPDCAを回していきましょう。

    業務改善にPDCAサイクルを活用するメリット

    業務改善のフレームワークとしてPDCAサイクルを取り入れると、具体的にどのようなメリットが得られるのでしょうか。
    期待できる3つの効果を紹介します。

    目標・タスクが明らかになる

    改善したい業務があっても、「どう改善したいか」「何をするべきか」がわからなければ、実行できません。PDCAサイクルは計画によって具体的な実行策を見出せ、仮によい結果が出なかったときにも、評価と改善によって新たな計画に何度も挑戦することが可能です。

    計画を立てるなかで、タスクや最終目標が明らかになるので、日々やるべきことや目指すべき地点に向けて従業員が行動しやすいのは、PDCAサイクルのメリットだといえます。

    課題を把握しやすい

    現状分析や評価を定期的に行えるPDCAサイクルは、課題を的確に把握することにも役立ちます。課題が明らかになれば、理想に向けてどういった改善を行えばよいかも考えやすくなるので、結果として業務改善を成功に導けるでしょう。

    「いまやるべきこと」に集中しやすい

    PDCAサイクルを活用して、業務改善に向けた目標やタスクがわかれば、従業員は「いまやるべきこと」に集中して取り組めます。実行段階では計画の見直しや評価を行わないので、決まったタスクに専念することが可能です。もし別の問題が出てきた場合は、評価の工程に進んでから話し合い、次のサイクルでどうするかを考えましょう。

    業務改善に役立つその他のフレームワーク例

    業務改善に生かせるフレームワークは、PDCAサイクルだけではありません。最後に、さまざまなフレームワークのなかから、業務改善に特におすすめのフレームワークを紹介します。

    BPMN(ビジネス・プロセス・モデリング表記)

    BPMN(Business Process Modeling Notation)は、業務プロセスを図式化するフレームワークです。四角形や丸、矢印などの図形を使って図式を作り、視覚的に業務の流れを把握できます。

    わかりやすくフローチャート化された業務プロセスは、業務のムダ発見に役立ちます。また、システム導入の検討にも活用できる手法です。

    ECRS(イクルス)

    ECRSは、以下の4都農支店に基づき、業務改善箇所を洗い出すフレームワークです。

    ・Eliminate:ムダの排除
    ・Combine:業務の結合
    ・Rearrange:プロセスの整理・再配置
    ・Simplify:業務の簡易化

    ECRSは、製造プロセスの見直しやバックオフィス業務まで、幅広い業務に活用できます。業務改善においては、前述のBPMNで業務プロセスを可視化したのちに、「E」の工程から順に行うと、適切な策を検討しやすくなります。

    ロジックツリー

    ロジックツリーは、1つのキーワード(課題)に対する「なぜ?」を掘り下げ、原因を分析するフレームワークです。紙などに書き出す場合は、大きな課題を上に掲げ、その下に考えられる理由・原因をツリー状にぶら下げていきます。

    理由・原因は多く挙げても問題ありませんが、漏れやダブりがないようにすることを意識しましょう。はじめは抽象的かもしれませんが、掘り下げていくなかで徐々に具体的になっていくのが理想です。ロジックツリーでわかった原因や理由は、業務における課題を改善するよい方法を検討する材料になります。

    ファーストアソシエイツは、PDCAサイクルをフレームワークに取り入れた業務改善をサポートします

    PDCAサイクルは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)を繰り返し、継続した業務改善の実現に貢献するフレームワークです。ベストな方法が見つかるまで何度も試行錯誤できるPDCAサイクルは、改善で終わらず、さらによい業務に向けて取り組めるのもメリットです。PDCAサイクルをはじめとしたさまざまなフレームワークを生かし、業務改善を成功させましょう。

    ファーストアソシエイツは、経理アウトソーシングをはじめとした、さまざまなサービスをご提供しています。PDCAサイクルなどのフレームワークを生かした業務改善支援も行っておりますので、お気軽にご相談ください。