COLUMN

「経理業務を自動化したいが、Google Apps Script(GAS)で内製すべきか、それとも専用システムを導入すべきか――」
これは、私たちが経理DX支援やBPO(業務プロセスアウトソーシング)の現場で、経営者様や経理責任者様から最も多くいただくご相談の一つです。
「コストを抑えてGASで自動化したい」という声もあれば、「やはり専用システムの方が安心なのか」という迷いもあります。
しかし、数多くの現場改善を行ってきた私たちが導き出した答えは、実はそのどちらでもありません。
本記事では、机上の空論ではない、「現場で運用し続けられるDX」を実現するための判断基準について解説します。
目次
多くの場合、DXの手段(GASかシステムか)で迷う根本的な原因は、「現在の業務フローをそのままデジタル化しようとしている」点にあります。
• 「今の独自のエクセル管理をそのまま自動化したい」→ GASに目が行く
• 「法対応や一般的なフローに合わせたい」→ システム導入に目が行く
しかし、既存の業務フロー自体に無駄や非効率が含まれている状態でツールを選んでも、「自動化された非効率」が生まれるだけです。まず考えるべきは「ツール」ではなく、「業務の整理」です。
GASは、Google Workspace(スプレッドシートやGmailなど)を連携させ、低コストで独自の自動化ツールを作成できる強力な手段です。私たちもBPOの現場で、細かなタスクの自動化によく利用しています。
• システム間の「隙間」を埋める業務(例:メール添付ファイルの自動保存)
• 独自性の高いレポート作成や通知機能
• 一時的なプロジェクトなど、柔軟な変更が求められる業務
しかし、基幹業務(会計・請求・支払)をGASだけに依存することには慎重になるべきです。
最大の懸念は「属人化」です。
作成した担当者が退職した後、誰もメンテナンスできず、エラーが出ても修正できない「ブラックボックス」と化すケースを、私たちは数多く見てきました。
一方で、マネーフォワードやfreee、楽楽精算といったクラウドシステムは、法対応やセキュリティ面で圧倒的な強みがあります。
しかし、「導入さえすれば楽になる」わけではありません。
• 「機能過多」で使いこなせない: 高機能なプランを契約したが、現場は結局エクセルを使っている。
• 業務フローとの不一致: システムの仕様に合わせるために、逆に手作業が増えてしまった。
システムは「標準化」には最適ですが、各社独自の商習慣や細かい運用ルールまではカバーしきれないことが多いのです。
では、正解は何でしょうか?
私たちが推奨するのは、「システムの安定性」を土台にしつつ、システムでカバーできない部分を「GASやBPO(人の手)」で補う「ハイブリッド運用」です。
1. コア業務(システム): 会計、請求、経費精算などは、法対応と継続性が保証されたSaaSシステムに任せる。
2. 接続・加工(GAS/RPA): システムから出力したデータを、自社の管理会計用に加工したり、別システムへ連携したりする部分はGASで自動化する。
3. 判断・例外処理(人/BPO): 最終的な承認や、システム化なじまない例外対応は、プロ(社内またはアウトソーサー)が担う。
この「使い分け」こそが、コストパフォーマンスと運用リスクのバランスが最も取れた最適解です。
ツール導入の前に、まずは業務の棚卸しを行いましょう。
• 「その集計作業は、経営判断に本当に必要ですか?」
• 「その承認フローは、形骸化していませんか?」
私たちファーストアソシエイツは、単に経理代行をするだけの会社ではありません。
「税務・会計の専門知識」と「ITの活用ノウハウ」を組み合わせ、お客様の業務フローそのものをスリム化し、最適なツール選定から運用定着までを伴走型で支援します。
「GASで内製すべきか、システムを入れるべきか」
そのお悩みの奥にある、「もっと経理を楽に、経営に役立つものにしたい」という課題を、ぜひ私たちと一緒に解決しませんか?