COLUMN
業務改善を成功に導くためには、効果的な施策を検討することはもちろん、チームの協力も不可欠です。反対に、チームワークが機能しないと、業務へのモチベーションや生産性が低下する恐れがあります。
今回は、業務改善におけるチームワークの重要性や、よりよいチームワークがもたらすメリットなどを解説します。
目次
業務におけるチームワークとは、組織内のメンバーが目標達成に向けて協力しながら作業することをいいます。売り上げや日々のタスクのなかで設定された目標は、達成に向けたアクションが必要です。
メンバーそれぞれが与えられたアクションを達成することはもちろん大切ですが、達成に向けてお互いに協力し合うことで、よりよい成果が期待できます。
同じ部門やチーム内の連携に限らず、他部門、他チームとの協力もチームワークに含まれます。
よりよいチームワークは、業務に当たる際に多くのメリットをもたらします。4つのメリットを解説します。
得意・不得意は1人ひとり異なるため、個人プレーで業務を進めるとミスや生産性の低下を招く恐れがあります。チームワークが高ければ、個々の特性を生かした、スムーズな業務遂行が可能です。
たとえば「Aの作業が苦手だけど、Bの作業はほかのメンバーより早い」という人がチーム内にいた場合、Aの作業が得意な人と協力すれば、Bの作業に集中してよりよいパフォーマンスを発揮できます。特性を生かした作業は成果をもたらすばかりでなく、個々の能力を認め合うというメリットもあります。
それぞれが「自分のやるべきこと」にだけ集中し、個人プレーばかりしているチームよりも、協力したり認め合ったりできる関係性を築いているチームのほうが、高いモチベーションで業務に取り組めます。
チームワークが高いと、特性を生かした業務のなかで自信を持ち、ほかのメンバーのよいところにも目を向けられ、「チーム」や仲間への愛着や忠誠心もアップするでしょう。
チームには、年齢や経歴、能力などが異なるメンバーが所属します。自分にはない経験や発想に触れることで刺激を受け、自分1人では思いつかなかったアイデアが生まれる可能性があるのも、チームワークが高いことのメリットです。
反対に、自分の意見や行動が、周りのメンバーによい刺激を与えることもあるでしょう。
効率化や生産性向上などを目的に行う業務改善は、作業フローに大きな変更点が生じたり、新しいシステムを導入したりと、業務内容がこれまでとは大きく変わるケースも多いです。チームワークが構築されていないと、個々が業務改善によって生じた変更を自力で理解し、実行していかなければなりません。
しかし、チームワークが高ければ、新しい流れのなかでも協力しあいながら業務をスムーズに遂行できます。また、DX推進にも、ITの知識が豊富なメンバーが積極的に対応し、あまり得意ではないメンバーをサポートするなど、新システムへの対応も迅速に行えるでしょう。
よりよい業務改善には、現状分析や課題解決・目標達成に最適な改善内容の検討などが必要ですが、チームワークが高くなければ、想定しているほどの成果は見込めないでしょう。業務改善を成功に導く「チームワークの高さ」を求める場合は、以下の7つの要素を見直すことが大切です。
共通の目標があれば、達成に向けて自然に協力する体制ができ上がります。しかし、目標が明確でなかったり、チームワークをあまり必要としない内容だったりすると、高いチームワークは生まれません。チームに設定する目標は、具体的で「組織」として取り組むのにふさわしい内容かどうかを検討しましょう。
お互いの特性を生かしてスムーズに業務を行うには、役割分担をすることも大切です。業務改善においても、個々の能力や経験などに見合った配置の見直しや、新システム導入に際してメインとなる担当者を決めるなどの役割分担をすると、変更に対してチーム全体で順応できます。
新たにチームを作る場合は、役割分担が適切に行えるように、特性がお互いにかぶらないようにするなどの配慮が必要です。
チームワークを高めて業務に取り組むためには、情報共有もしっかりと行います。「誰がどのような作業をしているか」「他部署からこのような伝言があった」などの連絡や報告は、チームの状況を正しく理解するために重要です。
また、個々が持つ業務に関する情報なども、すべて共有しましょう。たとえば「この作業はAの方法よりもBの方法のほうが早く終わる」ことを誰かが発見しても、共有しなければほかのメンバーは効率的に作業ができません。
メンバーそれぞれが持つ能力を最大限に発揮するには、自発的に行動することも大切です。リーダーからの指示に従うばかりだと、「指示待ち」が当たり前の組織になり、リーダーが不在になった際に機能しなくなります。
リーダーは、すべて自分で決めて指示するのではなく、メンバーが自分で考えたり意見を述べたりできる力を養えるよう見守ったり、自発性を高められるチーム作りに務めましょう。
チームとして動く場合は、やはり協調性も欠かせません。自発性は大切ですが、「チームの一員としての自分」として考え、行動できるように力をつける必要があります。リーダーは、メンバーの自発性向上に向けて意見を述べる、議論する場を設けますが、メンバーは自発的な発言や行動を意識しながらも、最終的にはリーダーの指示に従うことを忘れてはいけません。
さまざまな業務に向上心を持って取り組めば、ほかのメンバーから吸収できるものも自然に増えます。向上心があれば新しい方法や手順にも素早く慣れられるので、業務改善で生じた変更にも対応しやすいです。
メンバーそれぞれの心持ちが重要ですが、チームとして常に向上心を持てるような工夫も取り入れましょう。
チームワークの高い組織の実現には、コミュニケーションが不可欠です。お互いの状況を知る、意見を述べるなど、ここまで解説したよいチームワークを実現する要素は、コミュニケーションによって成り立つものも多くあります。
「報告」「連絡」「相談」などの基本のコミュニケーションはもちろん、発言しやすい環境、問題や悩みを相談しやすい人間関係を構築することも大切です。コミュニケーションが活発で団結したチームは、業務におけるミスが少なく、スムーズに日々の業務に取り組めます。業務改善の際にもお互いをフォローすることはもちろん、新たな方法を生かして高いパフォーマンスを発揮できるでしょう。
業務改善の方法はさまざまですが、チームワークが高くなければ改善による効果は低減してしまいます。高いチームワークは、日々の業務においてもさまざまなメリットをもたらすので、業務改善を機に、ポイントを押さえたチーム作りにも取り組んでみるとよいのではないでしょうか。
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