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経理や人事部門の方にとって、年末調整の時期は大変負担がかかる時期でしょう。
その負担を軽減させるために有効なのが「年末調整の代行サービス」です。
この記事では、年末調整の業務をアウトソーシングするメリットと、その注意点について解説していきます。
年末調整を外部委託することで、どのようなメリットがあるでしょうか。
まず、もっとも大きなメリットは従業員・担当者の業務負荷の軽減です。
一言で「年末調整」といっても、申告書の記入や確認、保険料控除証明書の回収、さらには源泉徴収票の作成といった多岐にわたる業務が、短い期間に集中します。そのため、担当者は肉体的だけではなく精神的にも大きな負担がかかります。
外部の業者に委託することで、その負担は大きく軽減され、日々の業務に集中することができるようになります。
年末調整は、当然ながらミスが許されない作業です。
外部の専門業者であれば、年末調整に慣れている、もしくは税務に関する専門的な知識をもつスタッフが作業を行うため、正確に業務を進めることが出来ます。
また、専門業者は、情報管理プロセスもしっかりと構築し、セキュリティ対策も撮られていることが多いため、安心して任せることができます。
これまで年末調整は紙で行っていた、という会社の場合、年末調整を外部に委託することをきっかけに社内電子化を進めることも可能です。
膨大な事務作業や確認作業がともなう年末調整も、システム化することで作業負担は大きく軽減されます。申告書類も一部を除き、ほとんどが電子データで提出可能です。
従業員側の手続きはほぼWEB上で完結でき、記入漏れや計算ミスが減ります。
担当者側も、申告書類の準備や提出書類のチェックが自動化されるため、手間が大幅に減少します。また、保管スペースを確保する必要もありません。
年末調整のシステム化は、従業員・担当者双方の負担が大きく軽減することでしょう。
年末調整を業務委託する際には、重要な注意点がいくつかあります。
年末調整には、税理士にしかできない業務が含まれています。
簡単に、社労士でできる仕事、税理士ができる仕事について分類してみましょう。
まず、社労士は「労務」に関する専門家です。
例えば、
・算定基礎届や労働保険に関する書類、月額変更届を提出する業務、
・給与や社会保険料の計算業務
・キャリアアップ助成金や人材確保等支援助成金などの助成金の処理
続いて、税理士は「会計・税金」に関する専門家です。
例えば、
・企業から提出された書類をもとに給与・賞与の総額、各種控除額、所得税額等の計算業務
・各種法定調書を作成、税務署へ提出する業務
・年末調整後に固定資産税を市区町村へ申告する業務
給与計算業務は、税理士の仕事ではありますが社労士が担うことも可能です。
しかし、税金に関する業務は税理士の業務範囲となるため、税理士が対応しなくてはいけません。
年末調整を外部に委託する場合、どの業務を委託するのかを明確にするようにしましょう。
ファーストアソシエイツは、税理士による経理アウトソーシングを提供しています。
年末調整のみの業務はお引き受けしておりませんが、経理業務についてお悩みのことがありましたら、お気軽にご連絡ください。
年末調整には、絶対的な書類の提出期限が決まっています。
一般的に提出期限は翌年1月末で、一般的に申請準備は12月に設定することが多いです。
もし、年末調整を外部委託しようと考えている場合、少しでも余裕をもって(可能であれば7月頃までに)選定することをおすすめします。
なぜなら、ほかの企業も同じく、上記のスケジュールで動いているため、直前になって委託先を選定しようと思っても、もう受け入れてもらえない可能性があるからです。
提出期限から逆算し、余裕をもってスケジュールを立てるようにしましょう。
年末調整代行サービスの内容を説明するために、まずは「年末調整」とは何かについて説明いたします。
毎月の給与計算において、源泉徴収税額は概算によって計算されています。そのため年末に正しい源泉所得税を計算し直し、不一致を清算する作業が「年末調整」です。
年間の納税額は、1月から12月までの1年間の給与収入から各種所得控除額を差し引いて計算されます。
その所得金額に対して、所得税法で定められた税率をかけ、年間の所得税が算出されますが、この計算には住宅ローン控除や、生命保険料控除などは考慮されていないため、年末調整で給与に対する所得税を改めて計算し、調整する必要があります。
調整した差額は、後日の給与で徴収もしくは還付されます。源泉所得税の徴収は、会社の義務でもありますので、正しく対応しましょう。
年末調整の業務を委託する会社は、企業が求める業務に柔軟に対応してくれる会社が多いでしょう。
サービスを利用する際の基本的な流れは、従業員から取りまとめた年末調整の書類を専門業者に郵送、あとはすべて業者にお任せ、というところが多いです。
細かい要望は実際に問合せをして確認をしましょう。
下記に簡単に外部委託した場合の年末調整の流れについて整理をしていきます
従業員に配布する申告書類を準備します。
必要な書類は下記です。
・給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
・給与所得者の保険料控除申告書
・給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書
・給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書
※住宅ローン借入者のみ
準備が出来たら、従業員に配布しましょう。
必要書類が従業員に渡り、従業員が記入した後、順次書類が返ってきます。
従業員から書き方が分からないなどの問合せがある場合には、その対応をします。
※期日までに提出を行わなかった従業員分は、個人で確定申告をして対応いただきます
申告内容に問題がないかを確認し、専門業者に申告書類を送ります。
企業から送られてきた年末調整の資料や証明書をチェックした後、専門業者は各種控除金額の計算を行います。
源泉所得税の年間税額の計算、12月給与への過不足税額の情報を通知し、源泉徴収票を抜け漏れがないよう発行します。また、支払調書などの法定調書・法定調書合計表、給与支払報告書などの発送も行います。
ファーストアソシエイツでは、年末調整のみの代行は行っておりませんが、経験豊富なスタッフが業務を行っております。日ごろから信頼関係を築き上げながら、安心感をもっていただけるよう経理業務を代行しております。
不明なことがあれば、いつでもお問い合わせください。
年末調整代の外部委託する際の費用構成は基本料金と、一人当たりの料金とで分かれているケースがあります。
一人当たりの一般的な相場は、1,000円~3,000円程度です。
アルバイトやパートが多い会社などは、比較的コストを抑えやすくなる傾向があります。
ただし、実際の総費用は依頼内容によって大きく変わります。例えば、特別な控除に関する申告や、複雑な事情を抱える従業員が多い場合、追加料金が発生することもあるでしょう。
また、申告書の再確認が必要になった場合も、都度費用がかかるケースがあります。
契約前に具体的な料金体系をしっかり確認しましょう。
年末調整を委託する専門業者を選ぶときには、何を最も実現したいか、を整理してから選ぶとよいでしょう。
これまでやっていた自社のフローを活かしたい場合、カスタマイズが可能な代行業者を選びましょう。
ただし、ご要望によってはお応えできない場合があるため、事前にご相談いただくことをおすすめします。
ファーストアソシエイツでも、お客様のご要望に沿って対応しております。お気軽にお問い合わせください。
年末調整の業務を請け負える会社は、年末調整以外の業務代行を受け付けている企業が多くあります。
弊社も、会計×税務×ITに特化した経理全般のアウトソーシングサービスを提供しています。業務改善を推進するITソリューションも提供しております。
年末調整はもちろん、業務プロセスの改善が初めてでも、伴走し、最後までガイドいたしますのでご安心ください。
年末調整は、必ずやらなくてはいけない業務です。
外部に委託することで、従業員の負担が大きく軽減されます。また対応するための人材を新たに雇用するよりも専門業者を利用した方が、費用は安く済む場合がほとんどです。
経理のアウトソーシングでお困りのことがありましたら、ぜひファーストアソシエイツにご連絡ください。